昨日とは違い、今日は驚くほど順調に仕事が終わった。

今日で出張が終わりだと本社から連絡があり、

簡単な引継ぎをした。


長かった出張も終わり、

来週には、ようやく自宅に帰れる。


昨日のお礼とお別れも兼ねて同僚を晩飯に誘ってみると、

快く了解してくれた。


会社の近くの店で飲んだり食べたりして、

いろいろと話も出来た。


こんなに楽しい晩飯は久しぶりだ。


あぁ、そうか。


一人じゃないからか。


昨日の少女が脳裏に浮かんだ。

子供の言う事もバカにはできないな。


ふと、

視線を上げると、

同僚は、ポカンとこちらを見ていた。



「あ、すみません、ボーッとしてたみたいで。

 ・・・あの、浦川さん?どうかしました?」



「・・・いえ、あの・・・、少し飲みすぎたみたいです。」



そう言うと同僚は赤い顔で笑った。

それは、

まるで、

何かを隠すみたいな照れ笑いにも見えた。