とにかく初めてのホストは楽しくて、エリは「引越し祝いじゃあ~」と言って、シャンパンを開けてくれた。

初めてのシャンパンコール。

何もわからないあたしの隣に涼が来て、あたしと手を繋いでくれた。

涼に引っ張られるがままに、手を上げたり下げたり…

ワーワー言いながらも、楽しいよりも、涼に手を握られている事に、ドキドキしぱなっしだった。

エリもあほみたいにはしゃいでいた。


シャンパンコールも終わり、あたし達はベロベロだった。

涼は他の指名のお客さんの所へ行ってしまった。

ヘルプが飲み物を取りに行っている時、エリがあたしに言った。

「やっぱり朝日は、涼がいい?」

少し考えながらも、「うん…」と答える。

「いいやん!涼はええ奴やしな!」

エリは笑って、そう言った。


本間にいいんかなぁ…

そう思ったけど、あたしには涼以外には、考えられなかった。

「ごめんな…」

「何で謝るん?別にええがな!」

またエリは、笑って言った。


そしてあたしは、トイレに行く為に、席を立った。