その時、1枚の名刺が出てきた。

昨日涼に貰ったやつだ。

こっちに誰も頼れる友達がいないあたしは、思い切って涼に連絡しようと思った。

ホストの彼なら、仕事の事も、相談にのってくれるかも知れない。

でも覚えてくれてるやろうか…

不安だったので、メールにしてみた。


「昨日はありがとう。朝日やけど、覚えてくれてますか?何か昨日で、仕事クビになっちゃった…これから仕事どうしよう…」


返事返って来るかなぁ…

あたしはドキドキしながらも、送信ボタンを押した。


ピピッピヒッ゚ピピッ…意外にも、返事はすぐに返って来た。


「えっ?何でなん?てか覚えてるし!今電話出来る?」


昨日のたった1時間ほどやのに、こうして涼が返事をくれた事が、あたしはすごく嬉しかった。

もう1度名刺を見て、今度は番号押す。

またドキドキしながら、発信ボタンを押した。


「はい!こちら八百屋!」

「へっ…?」

「胡瓜は置いてません!」

「…」

「トマトも置いてません!」

「ほな何置いてんねん…」


二人で大爆笑した。