いきなりわたしを解放したと思ったら、スタートラインに走って行く。

「お前の方から『好きですぅ』って言うようになるからな」

「ななっ!」

「まっ、今はオレ様の方が夢中っていうのも、しゃくだから」

「はあっ!」

何コレ! 告白!?

「今度はお前の方から、していーぜ?」

「誰がだぁ!」

叫びながらも、顔が熱くなっていく。

「…わたしに惚れさせたいなら、ちゃんと優勝して、新記録出しなさいよっ!」

アイツはニッと笑い、ガッツボーズを決めた。