「あっ、オレにもくれよ」

わたしはアイツの荷物からペットボトルを取り出し、剛速球のごとく投げた。

「うをっ!」

しかしきっちりキャッチされた。

「チッ」

「おまっ…エースのオレに何かあったら、どーすんだ!?」

「こんなことで何かあるなら、アンタなんて大したことなかったってことでしょ?」

冷静に言って、わたしは再び背を向ける。

あの顔を見ると、殴りたくなる。

…なのに、アイツの自主練に付き合っている理由は…この後、アイスを奢って貰うからだ。

うん、それだけそれだけ。