一樹は、頭を掻いた。
「……とりあえず、信じる信じないは保留にする。
だけど、いくつか教えてくれ。
何故こんな重要な話を、こんなに人が多い場所でしたんだ」
「さっきも言っただろう。
今、この状況で、私達を疑う人間がいると思うか?
傍目には私達達も、再会を喜ぶ友人同士にしか見えないだろう。
初対面でいきなり、しかもこんなに人の多い場所で、
堂々とトップシークレットを話すとは、誰も夢にも思わん。
それも一種の盲点というわけだ。
アメリカ人は、冗談の中に本音を隠す。
秘密の話は何も、閉め切った部屋でこっそり交わされる内緒話がすべてじゃないのだよ」
「なるほど……。もう一つ」
「なんだ?」
「……どうして、俺を選んだ」



