「ああ。言われた事も、どこまで本当かは分からない。
ただ、触らぬ神に祟り無しとは思っても、好奇心は人一倍強い方なんでな……」
ふくく、と吟子が笑う。
大丈夫か、と一樹は不安になったが、言っても意味は無いだろうと思った。
「……所内は、かなりやばいところまでいっているぞ。
私達を中央まで連れて来たのも、管理しやすくするためだ。
いざとなったら、前みたく一気に吹っ飛ばすのかもしれない。
……過激派は、それが可能であることを前回のテロで示したわけだ」
「過激派……?」
「執行所……いや、執行庁内での派閥だ。
他にも色々いるんだが、今現在はっきり敵だと分かっているのは、そいつらと思って間違いないだろう。
ともかく……過激派は、私達を始末したがっている」
にわかには信じがたい話だった。
一樹は混乱した。
黒幕が、執行庁側にいる……?
自分達の敵は、『新希光会』とかいうエセ宗教団体ではなかったのか……!



