一樹が、がくがくと頷いたのを見て呆れた吟子だったが、
「私の体の中には……機械が埋まってるんだ。
誰、とは言えないが……何カ月か前に、職員にイタズラされてな」
一樹がむせた。
「妙な妄想をするな……!
イタズラとは語弊だったか……正しくは、人体実験だ」
「人体実験……?」
そっちの方が問題ではないか……。
「そうだ。耳の中に、小さな機械を入れられた。
スイッチは、私の神経と繋がっている。
これのお陰で、私は時々送られてくる情報を、どこにも漏らさずに聞き取る事が出来るのだ。
ちなみに機械は、特殊なたんぱく質で包まれているものらしい。カプセルみたいに。
これまで、どんな検査でも引っ掛からなかった」
平然と、そんな事を言った。
一樹は咳払いをしながら、
「よく……そんなもの入れようと思ったな。
怖くなかったのか?」



