慌てて制止すると、吟子は納得した。
「なるほど。まずは私の方から、話さなければならなかったな……。
そうでないと、信用も出来んか。まあ、当然な話だ」
吟子は、静かに語り始めた。
「私は、あの時のテロで、両脚を瓦礫に挟まれた。
それ以来、面倒にも車椅子生活さ。
まあ一命を取り留めただけ、幸運だったとも言える。
私がいた場所も、南方の執行所も、生存者はほとんどいないからな」
「ああ、そう聞いている……」
吟子は、小さな早口で言った。
「だけど、私は知っていたんだ。
あのテロが、起こるべくして起こったという事を……」
――カコーン……
一樹が、つい缶を落とした。
中身がびちゃびちゃと広がり、足元に水たまりを広げる。
「おい、あまり過敏に反応するな」
「いや、あんたが今とんでもないことを言ったからだろう……!」
拾い上げながら、一樹がまくし立てる。



