しかし、CPGになりたての時ならまだしも、彼女が今になって自分の名前の文句を、
しかも初対面の自分に、くどくど言う理由が分からなかった。
一樹は、ある種の不自然さを感じた。
「じゃ、じゃあ……俺はこれでな……」
面倒な話に巻き込まれてはたまらないと思ったのか、知り合いを見付けた樋口は、さっさと二人から離れていった。
段ボールを抱えていた男に向かって、久し振りだなあ、大丈夫だったか、なんて肩を叩いている。
あ、逃げた。
一樹は、もしかして自分は今日、意味も無くこの無駄話に付き合わされるのだろうか、
と悲観したが、吟子は何やら薄笑いを浮かべていた。
うまくいったぞ、とでも言いたげな顔だ。
「……やっと担当官がいなくなったな。
これで、安心して話が出来る」



