「変なのー」
晴喜は、ぷいっとそっぽを向くと、「またね」と扉を閉めた。
その時ちらりと少しだけ、部屋の中が見えた。
以前、晴喜の部屋には至る所に人形があった。
その多くは、完成する前のパーツで。
一樹は、実際にそれを見た事は無かったが、話には聞いていた。
無数にある洗濯用のハサミから、
常にたくさん人形の小さな腕やら脚やら胴体やらがぶら下がっていて、とても不気味だと。
しかし、一樹は珍しく野次馬根性を出してみたものの、一瞬だけ見えた晴喜の部屋は、
樋口の言っていた散らかりようとは無縁なほどに、小ざっぱりっと片付いていた。
……誰かの部屋を、髣髴とさせるくらいに。



