自分でも驚くほど、その声は小さく、ぶっきらぼうに短かった。
当然ながら聞き取れず、光が「あ?」と首を傾げる。
一樹は、今度ははっきりと言った。
「……不純異性交遊?」
「違う!」
随分下世話な事を口走ったな、と一樹は言ってから自分でちょっと驚いた。
一方、呑気な一樹とは打って変わって、光は言い訳を考えるのに必死だった。
晴喜に呼ばれたから来ただけなのに、何で俺は今こんなにも一生懸命に、
無い知恵振り絞って冷や汗かかなきゃならないんだよ、と心の中で舌打ちする。
「あのなあ、いっちゃん。これには訳が……」
光が何か言いかけたが、一樹はもう彼から興味を逸らしていたので、耳に入っていなかった。
「晴喜」
一樹は、すっと部屋に引っ込もうとした晴喜の腕を掴んだ。
びくりと、彼女が強張るのが伝わってきた。



