「やばいって事は?」
「分かってる。『私』が、いてはいけない事も。
だって、私の持っている記憶は、この制度を打ち壊す事が出来るんだから……」
「まじかよ」
「私だけじゃないのよ。あなたも、持ってる記憶。
……一樹も、秀も、孝太郎も、奏子も、耕平も持ってるの、
CPG全員が、持ってるの……」
彼女は、いくつかCPGの名前を並べた。
知っている名前もあれば、知らない名前もあった。
「夢を見たわ。真白い、雪の中にいる夢……。
そのうち、きっと誰もが見るわ。
『抑制』が綻びる時、その雪は溶けて、全部蘇るの。
……博士が、そう決めた」
彼女は、虚ろな目をしていた。
光はそれを見て、やはり自分の方がまだ正気に近い場所にいるんだなと、
どうでもいい事に安堵している自分に気付いて、嫌な気分になった。



