ありとあらゆる虐待の行われていた、あの孤児院に……。
「……ただね、おかしいのよ。
あそこで子供達を痛めつけるのは、ある種の義務だったようなの。
しかも小さな出窓から、いつも誰かが室内の様子を覗き見て、メモを取っていた。
……時には、効果が何だのまだだの、変な会話も聞こえてきた。
……実験のようだったわ。
引き取り手の無い……『死んでも誰も文句を言わない』孤児を集めて、
あの施設は何かをしようとしていた。
当然弱い子は、どんどん死んでいったわ」
ヴェロニカは、眉を寄せた。
辛い思い出……過去の死を、悼んでいるのだ。
「……晴喜や他の子供達は人数が減る度、
『次は自分かもしれない』って、怯えていた。
そして新しく人数が増える度、
『いつになったら終わるんだろう』って、絶望していた。
……だけど、中には死なないで、その施設から出ていく子もいた」



