すると晴喜は突然、光の言葉に顔を歪めた。 笑おうとして、失敗した。 「……そうね。 『晴喜』はもう、壊れたわ」 それまでの、自身に満ちたものとは違い、泣きそうな声だった。 光は、奇妙な違和感を覚えた。 目の前にいる晴喜は、自分を『晴喜』と言いながら、 それは他人の事なのだと言っているような態度だった。 「お前の、名前は……?」 気付いたら、そんな事を尋ねていた。 晴喜は、口を開いた。 「私は、『ヴェロニカ』……」 そして、静かに語り出した。