「記憶障害……というよりは、 夢遊病に近いものかもしれない。 しかし、快方に向かっている今、 いらん心配をする必要は無いよ」 何度目かの、同じ回答だった。 心配は、無い。 無駄に騒ぐ意味も無い。 快方に向かっている……。 ちっともそんなふうには思えなかったが、 教授がそう言う以上、従う他無かった。