だが、ナイフはあと数センチほどで達してしまいそうで、 しかも相手が両手で力を込めているにも関わらず、怪我でもしているのか、 一樹は片手でそれに堪えていた。 ――大変だ、助けなきゃ。 「だけど、どうやって……?」 晴喜は、呆けたように呟いた。 視線を落とすと、すぐ傍に安全装置を外した一樹の拳銃が落ちていた。 晴喜は無意識にそれを手繰り寄せ、握り締めた。