晴喜は、目を閉じたままぐったりとしていた。
 
気を失っているのか、死んでいるのか、ぴくりとも動かない。
 
だが彼が見たのは、その晴喜を抱え起こしている、


自分とよく似た青年の姿だった。

 
彼は青年に気付いて振り向くと、おもむろに唇を開いた。



「お前、誰?」
 


二人の声が、きれいに重なった。