その瞬間、ナイフが掌まで現れた。 「やだよーだ!」 リーナがナイフを振ると、 光は「危ね!」と、後ろへ引いた。 ぴっ……と血が散る。 それが、もとあった傷口から出たものか、 違うのかは分からなかったが、 わずかに彼の腕を掠めたような手応えがあった。 ナイフには痺れ薬が塗布してある。 もちろんこれは微量で、きちんと刺さなければ効果は無い。 だが、それでも傷口をぢりぢりと焼くような痛みはあるはずだ。