そんな時だった。 ある日、偶然事務室にいたというだけで、樋口に頼まれた『部屋の片付け』。 その部屋に行くまで、彼は悟られないように、腹を立てていた。 何故、自分がこんな事をしなければならないんだ……。 しかし、そんな気持ちは、扉が開いた瞬間に消え失せてしまった。 晴喜の部屋にあった、『片付ける』もの……。 それは、彼の輝かしい理想を象ったかのような、 おびただしい数の人形だった。