ただ、そんな彼にも一つだけ心を許せるものがあった。 それは、美術品だった。 彼は集めた。 財産を少しずつ削れば、簡単だった。 様々な絵画に始まり、奇怪な形をしたオブジェや、 彫刻に至るまで、気に入ったものは手に入れてきた。 これだけは、「悪趣味だ」「偽物だ」「金を捨てるようなものだ」など、 何を言われようと、構わなかった。 彼が「美しい」と思えば、それはもう「美しい」のだった。