晴喜は釘を使って、窓枠を壊し始めた。 ギザギザに尖った窓の金属板を、ノコギリの代わりに出来れば……。 手元は、非常に危なっかしかった。 何度も間違えて、金属板を押さえている指を刺しそうになる。 その上、既に晴喜の体力は限界に近かった。 貧血や空腹を通り越して、体調も最悪だ。 だが、それでもなお、晴喜は作業を続けた。 帰りたい……。 例えそれが、逃げたいと思っていた、憎らしい環境だとしても。 『人形扱い』されて、こんなところにいるよりは、 彼女にとって、数百倍ましだった。