晴喜は、その釘を引き抜こうと考えた。 指先に力を込め、左右前後に揺らす。 びくともしない……と思ったが、わずかにその釘が動いたのを、晴喜は見逃さなかった。 ――いける! 晴喜は、一生懸命に釘を引っ張った。 ……古いとは言っても、さすがに留め具の役割を果たしているだけあって、 なかなか思うようにはならない。 「痛っ……」 途中で指が切れ、親指を血が伝った。 だが、晴喜は止めなかった。