考えてみれば、逃げるよりもまずはこっちの方が先だろう。 (ピンセット……何か、細い金属があれば……) 晴喜は、はっとして髪の中を探った。 執行の前に、きっちりとまとめ上げた髪。 当然、何十本ものヘアピンを使った。 今、それは村田によって無残に解かれてしまったが、一本でも残っていれば……! しかし、ピンが晴喜の手に触れる事は無かった。 「くっそー……」