晴喜は椅子を運んで、踏み台にした。 それでも微妙に高さが足りなくて、彼女は思い切り背伸びをした。 顔の近くで、窓の桟に溜まった埃が舞う。 少し吸い込んでしまって、晴喜は咳き込んだ。 そして、今度は息を止めて外を眺めた。 思っていた通り、外はもう夜だった。眼前に、街の夜景が広がる。 ぽつりぽつりとした、たくさんの家の電気。 外灯、繁華街と思われる、派手なライト……。 それでも、自分が今どこにいるのかは、全く分からなかった。