そこには、困ったように優しく笑う、初老の男性がいた。 変り者で有名な所長……。 漂々とした、自由な人。 一樹は、つっかえつっかえ、理由を喋り出した。 「……少し前まで、生きてても死んでてもどっちでも良かった。 とにかく無気力で目的が無くて、ただ任務を無感情にこなしてるだけで… …それが、ある日を境に変わった。あの時の事件が……」