結局、一樹はその場の成り行きで拾うのを手伝い、 女性は自分の度重なる失敗に頬を赤らめて、 それでも黙って拾ってくれる一樹に謝罪と感謝をしながら、 言葉を探すようにしどろもどろに話しかけて来た。 そして、それで二人とも同じ階の住人である事を知ると、 女性はお詫びにお茶でもと強く勧め、 一樹は彼女――青山幸枝(あおやまさちえ)の部屋にお邪魔する事になった。