「……何で、これ売らなかったんだっけ」 人形を保管する為に特別に借りた部屋から、この人形だけは自分のところへ戻した。 白いドレスを着せた人形だ。 嵌め込まれた人工樹脂の瞳は暗く、何も映さない。 「あ、そっか。……これ、体にヒビ入ってるんだっけ」