宿屋を後にした拓馬は、町の外に出て西へ歩きだした。


ゆっくり寝たせいか、昨日より体が軽かった。


辺りは、右を見ても左を見ても草原。


10分程歩くと、はるか向こうに、小さな建物がある。


「あれか?聖なる扉ってのは」


キラキラと光って見える。


近づくにつれ、建物がはっきりと見えてきた。


白く、見た目は小屋といった感じだ。そのときだった……


「え……」


後ろから近づく音に気づかなかった。確かに聞こえる。


ガシャ、ガシャ……


勢いよく振り向くと、小さくガイコツの姿が見える。


こちらに向かって歩いてくる。


「くそっ」


再び、小屋の方を振り返る。


が、遠すぎて、走っても中に入る前にガイコツに追いつかれてしまうだろう。