「チッ」


城の前に来た二人は、西門の隙間から城の中を覗った。


中には、見えている範囲だけでも、ざっと百体はモンスターがいる。


「ここは、だめだ。東門へ、行こう」


竜太の言葉に、裏を通って二人は東門へ向かった。


その隙間から、再び中を覗き込む竜太。


「……くそ!」


拳を片ヒザに当てる竜太。


西門程多くは無かったが、ここにも五十体はいる。しゃがみ込む竜太。


「どうすりゃ、いい……」


「裏門は?」


「ダメだ。東門へ向かう途中、チラッと隙間から中を見た」


「そうか……」


長い沈黙が走る。


「よし!」


突然立ち上がると、竜太が言った。


「なんだよ、急に」


驚く拓馬。


「作戦がある」


「なんだよ?」