「ああ、ロードでお前を待ってるとき、作ったんだよ。本当に、それが最後だ。材料が無くてな。なかなか作れねぇんだ」


「悪い……」


回復薬を飲んだ拓馬は、再び涙が溢れそうになった。


俺のためにここまでしてくれた竜太に、なんてことを……


「それより、お前も俺も鎧がボロボロだ。これじゃ、マズイ。とりあえず、近くの町へ行くぞ」


そう言うと、竜太は西へ向かって歩き出した。


「町って……この辺にあるのか?」


「ああ。ここから西へ10分ってとこだな」


なぜそんなに詳しいのか気になったが、拓馬はあえて聞かなかった。


もう、疑わない。前に、いずれ解るって言ってたんだ。


それまで、待とう。拓馬は心の中でそう思った。


拓馬はゆっくりと立ち上がると、竜太に続いた。


「別に、寄る必要のねぇ町だったんだがな……鉄製や銀製、全てが売ってる町なんだ。ちょうど、いい」