「うっ……うっ……」


「もう泣くな、拓馬」


「だって、竜太……ゴメン……」


「もう、いいって言ってんだろ」


座った状態で数分にわたり泣き続ける拓馬を、竜太があやしている。


「竜太……」


「なんだよ?」


「本当に、ゴメン……俺……」


「だから、いいって」


「でも、どうやって……」


「バーカ。お前の攻撃なんか、効いてるかよ。芝居したんだよ。お前に背中を切られたときも、少し避けさせてもらった」


「竜太……ゴメン……」


「だから、いいって言ってんだろ。しつこいぞ。それより、これ飲め」


竜太はそう言うと、回復薬を差し出した。


拓馬は涙を拭うと、それを受け取った。


「あれ?回復薬は、前のやつで最後なんじゃ……」