「いらっしゃい。ここには、銀の剣」


「くれ、両方!」


拓馬は店主が言い終える前に、言った。


「2万円ね」


拓馬はポケットをまさぐった。2万円、調度ある。


それを差し出すと、銀の剣と鎧を受け取った。


店を出るとすぐさま装備を替える拓馬。


「どうだ?」


竜太の声。


「あぁ……鋼よりも、軽い」


鎧を着ると、まるで何も着ていないように軽い。


剣は、鋭く、銀色に輝いていた。それに見惚れる拓馬。


「じゃあ、行くか」


そう言うと、スタスタと歩いていく竜太。


「竜太、どこ行くんだよ?」


慌てて後に続く拓馬。


「お前に、合わせたい人がいるんだ」


と、町の外れに行く竜太。そこには、見覚えのある建物が立っていた。


「あ……」


「この中に、大魔法使いの一人、風のルイスがいる。会ってこい」