「大熊くーんっ。スタンバイよろしくお願いしまーす。」 楽屋の外からそんな声が聞こえた。 「あ、はい。今行きます。」 結城くんはその声に返事をする。 あたしは衣装をもう一度じっと見つめる。 …あたし、マジでドラマ出るの? まさかの展開にどうすればいいのか戸惑う。 …とりあえず着替えるか。 その時だった。 「おい、お前もスタンバイしろ。」 試着室のドアが開く。