「とにかくっ…。
 台本よんどけ。
 お前の役はー…使用人Aだから。」




結城くんはそう言ってあたしに台本を渡す。





「えっとー…なになに?
 ”おかえりなさいませ…。お母様が部屋でお待ちですよ。”
 …だけ?」




「ああそんなけ。
 そんくらいならできるだろ?」




よ、よかった…短いセリフで。




「…じゃ、お前これ着とけ。」





結城くんが指でクイッとするその先には…




「…なんですかあのヒラヒラした服は。」