彼岸花の少女

一年後。

土手には再び彼岸花が咲いた。

昨年よりも数が増えていることには、誰も気付かない。

そして再び、少女は現れた。

彼岸花を愛おしむように見つめている。

その足元には…白骨の手が土から出ていた。

少女は視線を感じて、顔を上げる。

背広を着た若い男性が、こっちを見ている。



少女はゆっくりと、微笑んだ。