お昼も食べ終わり時間が近づいていたので

銀星と会場へと向かった


沢山の親子連れや若い女の子達で長い列が出来てる


「凄い人……」


季節は春っていっても
まだまだ寒い風邪が吹くエントランスに
銀星と一番後ろの列に並んだ


周りの10代、20代の女の子達から

『桜汰に早く逢いたい♪』

『本当にイケメンだよね!!』

なんて声が聞こえてくる



やっぱり桜汰君人気が急上昇だな


この仕事が終わったら
すぐにドラマが入ってるって言ってたもんね


「ママ…ママ!!」


「んっ??銀星??」


「ほら、まえだよ!!」


銀星の言葉に気がつけば

すっかり列が前に進んでた


「ごめん!!」


慌てて前に進み会場に入る


「えっと……」


銀星が迷子にならないように
ギュッと手を握り指定席を探した


「おーい!花穂ちゃん!」


ん??


ウロウロしてたら私達の席付近で
男の人が手を振って名前を呼んでるのに気づいた


黒いTシャツにライダースジャケット


ごつい身体に坊主頭の男の人


「あっ!!壮和君!!」