遠くから見てあれかよ…



女は出口で礼をして


どこかに歩いていった。




「龍斗?」


隣から航大が話し掛けてくる。



でも、そんな声が聞こえないくらいに


あの女の事しか頭になかった。




────



帰り道。



「龍斗ホントに大丈夫か?」


航大がまた話し掛けてきた。




俺は、もちろん部活なんかに


集中できる訳なくて。


田神に怒鳴られまくった。



「あぁ。」



軽く意識がとんだまま答えた。