「お前らー!春だからって浮かれてたらダメだぞー」



気持ちいい穏やかな春の陽射しが、完全に消えてしまいそうになるぐらいの高木の暑苦しさ。


もう、勘弁してほしいとさえ思う。


「クラスメートも担任も一年の時と変わらないけど、気を引き締めていかないとダメだからなー!」


担任だけは変わってほしかった。内心、皆もそう思ってるに違いない。


周りをこっそり伺うように見渡すと、深い溜め息がこぼれそうなぐらいの苦い表情がたくさん。



「あ、今日から新しい仲間が加わる事になった。ちょっと、待っててくれ」



新しい仲間?


転校生?


高木の突然の言葉に、険しい表情だったクラスメート達は一気に晴れやかに変わった。


そして、ガヤガヤと高木がいなくなった途端に、興味本位に賑わい始めた。