目をギラギラとさせて、教室内を見渡す担任教師の高木。


何か勝ち誇ったような顔で、いつもそんな感じのせいか、高木を良く思う生徒は残念ながらいない。


私も、その中の一人で高木をなるべく見ないようにグラウンドの方へと視線を向けた。


こういう時に、窓際の席で良かったと実感する。


私の席は、窓際のちょうど真ん中の場所。


気持ちいい春の穏やかな風が私の黒いロングの髪を時折、触れて通り過ぎていく。


窓から見えるグラウンドの隅の方に存在する大きな桜の木。


学校に桜の木があるのを見つけた時は驚いたな。


なんて、姿勢悪い肘をついて顎に手をあててそんな事を考えていた時……


突然、高木は大きな声で言葉を発した。


いつもより五割増し?な感じで発するものだから、背中がビクッとなってしまった。