〜桜side〜




桜は、学校の校門前で、体を震わせながら待っていた。



亜紀に電話で告げられた言葉は一言。




『全部終わるまで、桜ちゃんは学校で待ってて』




そう言われても、意味がわからなかった。



ただ、亜紀の声の調子、亜紀の雰囲気がいつもと違っていた。



それが妙に気になって、ついつい足を運んでしまった。




だが………




「一時間くらい…経ったかな………?」




ぶるっと体を震わせた。



長時間待っていたせいか、すでに体は冷え切ってしまっていた。





さすがに、そろそろ帰ろうかな、と思い始めていた。




…そのときだった。





「はぁ…はぁ………!」




目の前に、息を切らした奈津が現れた。