「………ん」




奈津はまだ重い体を起こすと、部屋のカーテンを開けた。



外は、目に映る景色一面に雪が積もっていた。



ガラッと窓を開け、手を外に出してみた。



すると、手のひらに何か冷たい感じがした。




「雪…か………」




何故だか、ちょっと寂しくなった。



そんな気持ちと裏腹に、時間は待ってはくれない。



奈津は部屋にあるカレンダーに目をやった。




―12月24日―




亜紀との約束の日。



答えを出す日。



亜紀と桜、どちらかを選ばなければならない日が来てしまった。