「私…何したわけ………?」




そうは思っても、聞くわけにはいかなかった。



もし、とんでもないことをしていたとしたら、聞いた後で気まずくなるに違いない。




しかし、気になるものは気になるのだ。



たしかに矛盾している。



だが、どうしようもない。




そんな心のモヤモヤのせいで、奈津との何気ない会話にも気まずくなってしまう。



このままではいけない。



それをどうにかしようと彩芽に相談したところ、こんな回答が返ってきた。




『もうすぐクリスマスよね〜♪

手編みのマフラーとかプレゼントされたらグッとくるんじゃないかなぁ?』




恋愛に関して全く無知な桜は、彩芽の言葉をかなり頼りにしていた。



なので、その言葉をそのまま実行したのである。




………が、現実は甘くない。



基本的に不器用な桜にとって、編み物は料理以上の難易度があった。



それ故、自分の不器用さに嫌気がさし、こうしていじけているのであった。