〜〜〜♪



携帯の着信音が鳴り響く。




奈津は眠そうに目をこすり、携帯を手に取った。




「もしも『遅いっ!!!』」




当然のごとく耳がキーンと鳴る。



寝不足のせいで、この着信音が誰のものであるか気づかなかったのだ。




「さ、桜か…?

何だよ、朝っぱらから…」




電話の相手は桜だった。



対応が遅かったらしく、すでに桜はお怒りのようだ。




『私が電話したときはスリーコール以内………いえ、ワンコール以内に出なさい!!!

いいわね!!?』



「いや、無理だろそれ…」



『口答えも禁止!!!

返事は!!?』



「……………」



『へ〜ん〜じ〜は?』



「………はい」




――相変わらずむちゃくちゃ言うよなぁ………