「………あちぃ」




ここは奈津の自宅、そして奈津の部屋である。



夏休みが始まると同時に、待ってましたとばかりに太陽さんが頑張り始めたらしく、奈津はあまりの暑さに死にかけていた。




「くそぅ………

地球温暖化の馬鹿やろう…


んでもって………」




奈津はぽつりとつぶやき………



そして、怒りに身を任せ、隣の部屋へと走って向かった。




隣の部屋………とは奈津の姉の部屋である。





「姉ちゃんの馬鹿やろぉー!!!!」



「………なぁに?

ただでさえ暑いってのに暑苦しいわねぇ………」




そう言って、彩芽はうちわでパタパタと仰いだ。




………しかし、奈津にはとても暑そうに見えなかった。