〜美冬side〜




夏休み前のある日のこと。



美冬は学級日誌を届けに職員室へ向かっていた。




学級委員長としての責任感が強い彼女は、規律の乱れを許さない。



学級日誌には遅刻0!、の文字が達筆な字で力強く書かれていた。




職員室に着き、美冬は少し咳払いをし、職員室の扉をノックした。




「失礼します。
一年一組の柏木です。
学級日誌を届けにきました」




彼女は礼儀作法も正しい。



実は、彼女の家は神社で、小さいときから礼儀作法をたたき込まれているのだ。




「お、柏木か。
いつもご苦労さん」



「いえ、仕事ですから」




美冬はさらっと言い、一礼して職員室を出ていった。