危険な彼女

俺は初めて桜に会ったときのことを思い出していた。




ぶつかるなり、『服』、と言われ、親父のクビをちらつかされ、そして、奴隷に任命。



それからは毎日こき使われる。



鬼のごとく、悪魔のごとく…







………でも、俺は知っている。





それは本当の桜ではない。





時折見せる、桜の女の子らしい姿。



守ってあげたくなる姿。



でも、触れたら壊れてしまいそうなほど脆い姿。





………桜は、弱いんだ。


ものすごく…弱い………





「………でも、ね」




考えこむ俺の顔を、覗き込むようにして梓さんはにっこりと笑った。