危険な彼女

「『私には権力も金もある』


『友達だって作れる』




そう…桜は思ったんだろうね」




「…………」




「そこから、桜は何かと金と権力にものを言わせるようになった。


そうやって形だけの友達を無理やり作るようになったんだ」




俺は頭の片隅で桜の姿を想像した。



あまりに容易に想像できてしまい、必死に脳内のイメージをかき消す。




「いくら権力を行使したところで友達なんて作れるわけがない。


最初はいた、形だけの友達も…、桜を心配してた友達も………





…みんな、離れていった」




「………みんな、と言うと、本当に全員ですか?」




「うん………


桜の使用人とかも、全員ね。

今いる執事は、もとは僕の執事だったんだ」




――あの執事が………



入学式のときに現れた忍者のような執事を思い出した。




「思い通りにいかない。




みんながいなくなる。




そして、桜は絶望したんだ。


独りになってしまうことで、自分の力の無力さを知った。






どうしたらいいかわからなくなった桜は、自然に部屋に閉じこもるようになって、そして………学校にも行かなくなった」



「………!」