危険な彼女

「ここが桜の部屋だよ」



梓さんがそう言って一際大きいドアを開けた。



「広………」




ドアの向こうには、どこぞの超高級ホテルの一室のような部屋があった。


奈津は、自分の部屋を一瞬想像してしまい、急激に落ち込んだ。




「あ、ベッドはそこだから。

早くゆっくり寝かせてあげてね」




………いやいや、すでに俺の背中で十分ゆっくりしてやがるんですけど…。




内心そう思ったが、口には出さなかった。



口に出した途端、またからかわれそうな気がしたからだ。




「よっと………」




起こさないように桜をベッドに下ろす。



改めて思うが、桜は異常なまでに軽かった。



スタイルがすらっとしているものだから当たり前と言えばそうなのだが、ちゃんと食っているのだろうかと少し心配になった。