「柳…奈津君だね?」


「そ、そうですけど…何か?」



そう言って出来る限りの笑顔で答えた。


人間、笑顔の人物には好感をもつと、誰かが言ってた気がするからだ。




「そう、それじゃあ…」



パチン!



男は慣れた手つきで指を鳴らした。


すると、周りにいた男達は一斉に動き出し、俺達を軽く持ち上げた。




「え?え?」




訳も分からないまま、俺達は車に乗せられた。